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古物商許可申請

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宅建業許可申請

1 宅建業(宅地建物取引業)免許の概要


(1)宅建業の定義


宅建業を規制している宅地建物取引業法において、免許が必須の宅建業とは、以下の行為を業として行うことをいいます:
①自己の物件を売買又は交換すること。
②他人の物件の売買・交換・貸借についてその代理又は媒介をすること

*業として:反復・継続の意思をもった社会的行為として。
*自己物件の貸借:免許は不要。

(2)宅建業免許の区分


① 免許を付与する者
・ 国土交通大臣の免許:二以上の都道府県に事務所を設置するとき。
・ 都道府県知事の免許:一の都道府県のみに事務所を設置するとき。

② 免許を受ける者
個人と法人が免許を受けることができます。法人格がない任意団体は免許を受けられません。 

(3)許可の有効期間(5年)と更新


① 許可の有効期間
宅建業許可の有効期間は、許可のあった日から5年目の許可日に対応する日に満了します。

② 許可の更新
有効期間満了日の90日前から30日前までに免許の更新を申請することが必要です。

2 免許の基準


(1)人的要件


① 法人の場合
商業登記簿の事業目的欄に「宅建業を営む」旨が記載されていること。

② 名称の制限
名称(商号)が、法律により使用を禁止されているもの、地方公共団体又は公的機関の名称と紛らわしい場合等には、名称を変更する必要があります。

③ 欠格事由
免許申請者である個人、法人の役員等が、禁固以上の刑に処せられてから5年をしていない場合等一定の事由に該当するときは、免許を受けられません。

④ 専任の取引主任者の設置
宅建取引主任者
宅地建物取引主任者試験に合格して取引主任者資格登録を為し、取引主任者証の交付を受けている者。
専任の取引主任者
宅建取引主任者の要件を満たした上で、一定の事務所に常勤して、専ら宅建業の業務に従事することが必要です。
専任の取引主任者設置の要件
一つの事務所において宅建業に従事する者5名について1名以上設置する必要があります。

(2)物的要件


① 事務所の形態
物理的かつ社会通念上、宅建業の業務を継続的に行える機能を有し、事務所として認識される形態を具備している必要があります。

② 本店・支店
・宅建業者が株式会社等の場合:商業登記簿に登記された本店・支店
・宅建業者が公益法人等の場合:主たる事務所・従たる事務所

③ 出張所等
本店・支店以外で、継続的に業務を行える施設を有する場所で、宅建業の契約を締結できる使用人を置くものは、従たる事務所となります。

(3)営業保証金の要件


本店(主たる事務所)について1000万円、支店(従たる事務所)一箇所毎に500万円の営業保証金を供託するか、保証協会に加入する必要があります。

3 許可の申請手数料・登録免許税及び審査期間


(1)申請手数料・登録免許税


知事許可:33,000円  
大臣許可:90,000円 

(2)審査期間


知事許可:30日
大臣許可:3ヶ月
*新規・更新の許可申請以外に、知事許可の相互間及び知事許可と大臣許可の相互間の免許換え申請があります。 

建設業許可申請・経営審査

1 建設業の許可と種類・区分



《建設業者の社会保険加入問題》


建設業の社会保険加入推進の一環として、建設業法施行規則等の改正が行われました(平成24年5月1日公布)。

このことを受け、許可申請書に保険加入状況を記載した書面及び確認資料の添付が必要となりました。また、未加入であることが判明した企業は加入指導が実施されることとなりました。

その目的は、技能労働者の雇用環境の改善や不良不適格業者の排除に取り組み、建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保と事業者間における公平で健全な競争環境の構築を図ることにあります。

もっとも、社会保険に加入していなければ許可が取り消されたり、新規の申請が不許可になるということではありません。あくまで社会保険の加入‘状況’を記載した書面の提出が義務化されたということです。

ただし、遅くとも平成29年以降においては、適切な保険に加入していることを確認できない作業員については、元請企業は特段の理由がない限り現場入場を認めないこととなっています。

(1)建設業の定義と種類


建設業は、建設業法・建設業法施行令・建設業法施行規則により規制されています。建設業法第2条において、「建設業とは、元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう」と定義されています。建設工事とは「土木建築に関する工事」であり、同法別表に「土木一式工事」・「建築一式工事」等28業種に分類されています。建設業の許可は、28業種に対応する「土木工事業」・「建築工事業」等28種の工事業毎に付与されます。

(2)建設業許可が必要な場合


建設業を営む者は、下記の「軽微な建設工事」を除いて、上記の28の業種毎に国土交通大臣又は都道府県知事の許可を受けなければなりません。

軽微な建設工事(許可が不要な工事)
建築一式工事以外の工事:1件の請負代金(消費税込)が500万円未満の工事
建築一式工事:①1件の請負代金(消費税込)が1500万円未満の工事
       ②木造住宅(主要構造が木造で延面積の二分の一以上が居住用)で延面積が
        150㎡未満の工事  

解体工事業者登録との関係

・土木工事業、建築工事業、とび・土工工事業の建設業許可を受けた者は解体工事業者登録なしで解体工事ができます。
・請負金額が500万円以上の解体工事は、とび・土工工事業の建設業許可が必要です。
        
          

(3)建設業許可の種類


①国土交通大臣許可:二以上の都道府県に営業所がある場合
②都道府県知事許可:一つの都道府県に営業所がある場合

「営業所」とは、請負契約の締結主体となる事務所をいい、人的要件としては契約締結に関する権限を委任された者が居て、事務所としての物的要件を満たしていることが必要です。また、都道府県知事許可であっても、その都道府県内にある本店・支店が締結した契約に基づいた工事は、営業所がない他の都道府県でも行うことができます。

(4)建設業許可の区分


建設業の許可は、一般建設業と特定建設業に区分されます。同一業種について一方の許可しか受けられません。元請として工事の全部又は一部を下請(一次)に出す場合の契約金額(消費税込)について以下の制限があります:

元請工事の全部又は一部を下請(一次)に出す場合の契約金額(消費税込)
 特定建設業:3000万円以上(建築一式は4500万円以上。二以上の下請業者に出す
       ときは合計額)
 一般建設業:①3000万円未満(建築一式は4500万円未満 
       ②工事の全てを自前で施工  
  (二次以後の下請に対する下請金額の制限はない)
また、特定建設業には、専任技術者及び財産的基礎に関して、一般建設業の場合に加重された要件があります。

2 許可の有効期間(5年)と更新・有効期間の調整



(1)許可の有効期間


建設業許可の有効期間は、許可のあった日から5年目の許可日に対応する日の前日に満了します。

(2)許可の更新


知事許可:期間満了日2ヶ月前から30日前までに更新を申請します。
大臣許可:期間満了日3ヶ月前から30日前までに更新を申請します。

(3)有効期間の調整



許可日が異なる2以上の許可を受けている場合には、そのうちの許可について更新申請をする際に、他の許可についても同時に1件の許可の更新として申請することができます(許可の一本化)。

3 許可の基準



(1)常勤の「経営業務の管理責任者」を置いていること


・経営業務の管理責任者とは、(1)現に取引上対外的に責任を有する地位にあり、かつ
 (2)建設業の経営業務に関して総合的に管理・執行した経験を有する者です。
・(1)については、法人では役員(監査役、執行役、会計参与、監事及び事務局長等は含
 まれない)、個人では本人又は支配人であることが必要です。
・(2)については、原則として、許可を受けようとする建設業種について5年以上にわた
 り法人の役員、執行役、個人事業主又は政令使用人(支配人、支店の代表者等建設業法施
 行令第3条に規定されている者)であったことが必要です。

(2)常勤の「専任技術者」を営業所毎に置いていること


・専任技術者は、その営業所に常勤して、建設業の技術上の統括業務に専ら従事している者
 です。(従って、建設現場に頻繁に出向いて専ら現場監督的な業務に従事している場合に
 は、要件を満たさないことになります。)
・専任技術者は、業種毎に一定の国家資格保持者、実務経験保持者者(原則として10年以
 上)又は学歴保持者であることが必要です。
・専任技術者は、同一の営業所内において経営業務の管理責任者と兼任することができま
 す。

(3)請負契約について誠実性を有していること


・請負契約締結に際における詐欺・脅迫等の不正な行為がないこと。
・工事内容・工期等について請負契約に違反する不誠実な行為がないこと。

(4)請負契約を履行できる財産的基礎又は金銭的信用を有していること


・一般建設業:500万円以上の自己資本又は資金調達能力がある。
・特定建設業:資本金又は期首資本が2000万円以上、純資産が4000万円以上等の一
 定の要件を満たしている。

(5)欠格事由に該当しないこと


・立証資料として、法人の役員、個人事業主及び政令使用人の身分証明書・登記されていな
 いことの証明書を提出します。

(6)暴力団の構成員でないこと




4新規許可・更新許可の申請手数料・登録免許税及び審査期間



(1)申請手数料・登録免許税


知事許可:新規  9万円  更新 5万円
大臣許可:新規 15万円  更新 5万円

(2)審査期間



知事許可:30日
大臣許可:3ヶ月

*新規・更新の許可申請以外に、以下の申請があります:
  ・許可換え新規:知事許可の相互間及び知事許可と大臣許可の相互間
  ・般・特新規: 一般建設業許可保持者が特定建設業を申請
           特定建設業許可保持者が一般建設業を申請
  ・業種追加:  一般建設業許可保持者が他の一般建設業を申請
          特定建設業許可保持者が他の特定建設業を申請
          (業種追加の手数料は知事・大臣ともに5万円) 

5経営審査



経営事項審査制度と入札


経営事項審査制度(以下、経審)とは、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない審査のことです(大前提として建設業の許可が必要となります)。公共工事の各発注機関は、入札参加に必要な資格基準を定め、競争入札参加資格についての資格審査を行っており、客観的事項と主観的事項を点数化し、順位・格付けを行っています。このうち、経審は客観的事項にあたります。
また、入札には総合評定通知書が必要であり、総合評定通知書は経審により取得できます。そして、公共工事を受注しようとする際に注意しなければならない点として、総合評定通知書の有効期限(一年七ヵ月)が切れないように、毎年の決算以降の各種手続きを確実に行うことが挙げられます。また、入札を希望する官公庁ごとの入札参加資格の有効期間その他を把握しておき、適切な時期に手続きを行わなければなりません。

経営事項審査項目の内訳


①経営規模(X)
・完成工事高(X1)
・自己資本額(X2)
・利払前税引前償却前利益(X2)
②技術力(Z)
・技術職員数
・元請完成工事高
③その他の審査項目(社会性等)(W)
・労働福祉の状況
・建設業の営業継続の状況
・防災活動への貢献の状況
・法令遵守の状況
・建設業の経理の状況
・研究開発の状況
・建設機械の保有状況
・国際標準化機構が定めた規格による登録の状況
④経営状況(Y)
・純支払利息比率
・負債回転期間
・売上高経常利益率
・純資本売上総利益率
・自己資本対固定資産比率
・自己資本比率
・営業キャッシュフロー(絶対値)
・利益剰余金(絶対値)

総合評定値(P)=0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15W

経営事項審査申請に必要な書類


①経営事項審査確認書
②経営規模等評価申請書、総合評定値請求書
③工事種類別完成工事高・工事種類別元請完成工事高
④その他の審査項目(社会性等)
⑤技術職員名簿
⑥経営状況分析結果通知書
以下、該当する場合に添付する書類
⑦継続雇用制度の適用を受けている技術職員名簿
⑧建設機械の保有状況一覧表
⑨工事経歴書
⑩経理処理の適正を確認した旨の書類

※都道府県によって様式等異なる場合があります。


相続・遺言

1 相続


(1)はじめに


1 相続手続の流れ

相続開始(被相続人の死亡)
     ↓
遺言書の有無の確認
     ↓
廃除者・欠格者の調査 相続放棄・限定承認
(被相続人の死亡を知ったときから3ヶ月以内)
     ↓
相続人の確定・遺産の確認(財産目録の作成)
     ↓
遺産分割協議*(遺産分割協議書の作成)
↓    
所有権移転手続き(名義変更・換価処分)
     ↓
相続税の申告・納付/延納・物納の申請
(被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内)

*相続財産は、相続人全員の合意がなければ分割できません。
 最悪の場合は、裁判所(調停や訴訟)を通じた遺産分割の
 方法を選ぶことになってしまいます。

2 相続手続の種類
 
 ① 相続人調査      相続関係図の作成
 ② 相続財産調査     財産目録の作成
 ③ 遺産分割協議書作成
 ④ 各種名義変更     自動車、預貯金の名義変更の手伝い
 ⑤ 不動産名義変更手続  相続登記手続のサポート
              (登記手続は司法書士が対応)
 ⑥ 相続放棄申立手続   必要書類の準備、申立手続のサポート
   サポート       (申述書の作成は司法書士が対応)
 ⑦ 保険金の請求
 ⑧ 年金・健康保険の請求・切替
 ⑨ ローンの返済・承継

(2)相続人


・相続は、被相続人の死亡により開始します。相続人は、原則として被相続人の権利と義務
 を包括的に承継します。従って、相続人は、被相続人の債権のみならず債務も引き継ぐこ
 とになります。(債務超過や債務が多大な場合は、相続放棄又は限定承認の方法があります
 -後述)
・被相続人が死亡したときに生存している配偶者及び血族(法定血族である養父母・養子を
 含む)の一定の範囲の者が、法律上当然に相続人となり(法定相続人)、以下の各ケース
 が想定されます:

  ①配偶者のみ
  ②配偶者と子
  ③配偶者と直系尊属
  ④配偶者と兄弟姉妹
  ⑤子のみ
  ⑥直系尊属のみ
  ⑦兄弟姉妹のみ
  ⑧相続人不存在

(3)法定相続人の順位


被相続人の配偶者は、常に相続人となります。血族相続人があるときに、配偶者相続人は
 同順位の相続人となります。
血族相続人の順位は、以下のとおりです:
 ◇第1順位:被相続人の子(実子・養子)
  *代襲相続:被相続人が死亡する前に子が死亡している場合には、その子(被相続人の
         孫)が相続人となる。代襲者が被相続人の死亡前に死亡しているときは、
        その子(被相続人の曾孫)が相続人となり、以下同じ(再代襲相続)。但
        し、養子縁組前に出生した養子の子は代襲相続人とはならない。
  *胎児:被相続人が死亡したときに胎児であった者は、出生後に相続人となる。
 ◇第2順位:被相続人の直系尊属
   *被相続人の死亡時に子も代襲相続人も存在しないときは、直系尊属(養父母を含
    む)が相続人となる。
   *親等が異なる複数の者が存在するときは、被相続人に近い者が優先する(例えば、
    父母と祖父母の場合には、父母が優先)。
 ◇第3順位:被相続人の兄弟姉妹
   *被相続人の死亡時に子・代襲相続人も直系尊属も存在しないときは兄弟姉妹が相続
    人となる。   
   *代襲相続:被相続人が死亡する前に兄弟姉妹が死亡している場合には、その子(被
    相続人の甥・姪)が相続人となる。但し、再代襲相続はない。
   *父母の双方を同じくする兄弟姉妹と父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分
    は異なる。

(4)相続人の廃除・欠格


相続人の廃除:被相続人は、推定相続人が被相続人を虐待したとき、被相続人に重大な侮辱を加えたとき及びその他の著しい非行があったときには、推定相続人を廃除してその相続権を奪うことができます。排除の対象となるのは、遺留分(後述)を有する法定相続人(配偶者・子・直系尊属)だけです。排除は、(i) 被相続人が生前において家庭裁判所に排除の申立をする、又は(ii) 被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思表示を為し、遺言執行者が被相続人の死亡後に家庭裁判所に排除の申立をすることにより行います。被相続人は遺言又は家庭裁判所への請求により、廃除を取り消すことができます。なお、親が廃除されても、その子は代襲相続人として相続を受けることができます。

相続人の欠格:被相続人の遺言書を偽造・変造・隠匿する等法定の欠格事由に該当する推定相続人は、相続人としての資格を失います。なお、親が欠格となっても、その子は代襲相続人として相続を受けることができます。また、相続人の欠格は法律上当然なものなので、遺言により欠格者を適格としても効力を生じません。

(5)相続分


相続人が複数いる場合の相続分は民法に定められています(法定相続分)。但し、被相続人が遺言によって相続分を指定したときは、遺留分(後述)を除いて、それが優先されます。配偶者相続人と上記の順位の血族相続人が共同で相続するときの法定相続分は、以下のとおりです:

第1順位(配偶者+子)    配偶者:2分の1 子:2分の1
第2順位(配偶者+直系尊属) 配偶者:3分の2 直系尊属:3分の1
第3順位(配偶者+兄弟姉妹) 配偶者:4分の3 兄弟姉妹:4分の1
      

(6)遺留分


遺言による指定相続分は、法定相続分に優先されますが、相続人(兄弟姉妹を除く)に最低限留保された一定割合を侵すことはできません。この割合を遺留分といいます。相続財産全体の遺留分率は以下のとおりです:

配偶者+子 :    相続財産全体の2分の1
配偶者+直系尊属:  相続財産全体の2分の1
配偶者+兄弟姉妹:  相続財産全体の2分の1(兄弟姉妹には遺留分なし)
子のみ:       相続財産全体の2分の1
兄弟姉妹のみ:   なし
直系尊属のみ:   相続財産全体の3分の1
配偶者のみ:    相続財産全体の2分の1

それぞれの相続人の遺留分率は「相続財産全体の遺留分率×各相続人の法定相続分」で計算します:
 *相続人:配偶者+子
       配偶者の遺留分=1/2×1/2=4分の1
       子の遺留分=1/2×1/2=4分の1
 *相続人:配偶者+直系尊属
       配偶者の遺留分=1/2×2/3=3分の1
       直系尊属の遺留分=1/2×1/3=6分の1

(7)相続分の特例

 
①特別受益
・特別受益とは、被相続人から遺贈や生前贈与(婚姻・養子縁組の持参金や生計の資本のた
 めの贈与)を受けることをいいます。
・共同相続人の中に特別受益を受けた者があるときに、それらの者に法定相続分に応じてさ
 らに遺産を相続させることは、他の共同相続人と比べて不公平になってしまいます。
・共同相続人の中に特別受益を受けた者がある場合には、被相続人が相続開始時において有
 した財産(遺贈も含む)に贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、それに法定相続分
 をかけて算出した価額から特別受益の価額を差し引いた金額をその者の相続分とします。
②寄与分
・共同相続人の中に被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした者がいる場合には、共
 同相続人の協議により、相続開始時の財産価額からその者の寄与分として合意した額を控
 除したものを相続財産とみなし、本来の相続分にこの寄与分を加えたものがこの者の相続
 分とされます。

(8)遺産の分割・相続の限定承認・相続の放棄

 
・被相続人が遺言で禁止した場合を除いて、相続人は協議により遺産の分割をすることがで
 きます。協議が調わない場合には、各相続人は家庭裁判所に分割を請求することができま
 す。
・被相続人は遺言により分割の方法を指定し、又はそれを指定することを他人に委託するこ
 とができます。また、相続開始の時から5年以内の範囲で分割を禁止することができま
 す。
・相続人は、相続財産の限度において、被相続人の債務・遺贈を弁済すべきことを留保し
 て、相続を承認することができます(相続の限定承認)。
・相続人は相続を放棄することができます。
・限定承認及び放棄は、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に
 申述することにより行います。限定承認は、相続人全員が共同でしなければなりません。
 なお、相続の放棄をした場合には、初めから相続人ではなかったとみなされるため、代襲
 相続は行われません。
 

2 遺言

 

(1)遺言


・遺言は、遺言者の意思による財産の処分を、死後に認める制度です。
・満15歳以上であれば、遺言をすることが可能であり、未成年者であっても親権者の同意
 を要しません。
・遺言は、遺言者の死亡の時から効力を生じます。
・遺言は、書面によることが必要であり、遺言書は法律で規定された方式を満たすものでな
 ければなりません。
・遺言者は、方式に則って、遺言の一部又は全部を撤回することが可能です。
・遺言が可能な事項は法律に定められており、相続に関する主な事項は以下のとおりです:
 ①推定相続人の廃除及びその取消
 ②相続分の指定
 ③遺産分割の方法の指定・遺産分割の禁止
 ④遺言執行者の指定

(2)遺言の方式


法律により定められた遺言書の方式は、自筆証書遺言、秘密証書遺言及び公正証書遺言の3つです。

① 自筆証書遺言
・遺言者が自ら遺言の内容・日付を書、氏名を自署して押印しなければなりません。パソコ
 ン・ワープロで作成したものは不可です。
・遺言書の保管者・発見者は、遺言者の死亡を知った場合に速やかに家庭裁判所に遺言書を
 提出して、検認を請求しなければなりません。

② 秘密証書遺言
・遺言書は自筆である必要がありません。自筆で作成したもの、パソコン・ワープロで作成
 したもの、又は他人が代筆したものに遺言者が署名・押印して封筒に入れ、封印します。
 二人以上の証人と共に公証役場に行き、公証人の下で手続をします。自筆証書遺言と同様
 に、家庭裁判所の検認が必要です。

③ 公正証書遺言
・遺言者が二人以上の証人と共に公証役場に行き、公証人の面前で遺言の内容を口述し、公
 証人が公正証書にします。家庭裁判所の検認は不要です。

(3)遺言の執行



① 遺言執行者
・遺言執行者は、遺言者が死亡した後に、遺言の内容を実現します。
・遺言者は、遺言により遺言執行者を指定することができます。
・未成年者や破産者は遺言執行者となることができません。
・遺言において遺言執行者が指定されていないとき又は遺言執行者がいなくなったときに
 は、利害関係人は家庭裁判所にその選任を請求することができます。

② 遺言の執行
・遺言執行者は、速やかに相続財産の目録を作成して相続人に交付します。
・遺言執行者は、相続財産の管理等遺言の執行に必要な一切の行為をする権限を有し、義務
 を負っています。
・相続の具体的手続は以下のとおりです:
  ◇被相続人の戸籍謄本類の取得
   戸籍謄本、除籍謄本及び改製原戸籍謄本等被相続人の全ての戸籍を、出生から死亡ま
   で連続してつながるように取得します。
  ◇相続人全員の戸籍謄本類の取得 
  ◇被相続人の除かれた住民票(除票)の取得
  ◇相続関係の確定と相続関係説明図の作成
  ◇遺言の検認
  ◇確定した相続人全員による遺産分割協議と遺産分割協議書、特別受益証明書等の作成
  ◇不動産の所有権移転登記・預貯金の払戻・遺言による認知・推定相続人の廃除/取消

契約書作成

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帰化手続

1.帰化とは


 現在有している国籍を離脱し、別の国籍を取得することを帰化といいます。日本政府は、単なる届出による帰化を認めておりません。帰化により日本国籍を取得するには、単に帰化の意思を有しているだけでは不十分であり、一定の「帰化の要件」を具備していなければなりません。その上で、法務大臣に帰化許可の申請をします。

2.帰化の要件 一般原則



①住所要件


 引き続き5年以上日本に住所を有している必要があります。この要件は、申請時及び認定時に満たしていなければなりません。「住所を有している」とは、原則として6ヶ月以上の在留期間を付与された在留資格を有し、日本に生活の拠点があり、かつ6ヶ月以上在留していることを意味します。従って、短期滞在の在留資格から帰化を申請することはできません。また、留学の在留資格者は、日本に生活の拠点があるとは認められないので、単独での帰化申請はできません。在留資格を留学から就労に変更した場合には,就労に変更後3年以上経過していることが条件となります。

②能力要件


 20歳以上であり、かつ本国法により能力を有することが必要です。

③素行要件


 素行が善良でなければなりません。すなわち、きちんと税金を納付し、原則として前科・前歴がないことが必要です。前科とは、執行猶予を含む懲役・禁固・罰金の有罪判決を受けたことであり、前歴とは逮捕され起訴猶予の処分を受けたこと等を意味します。運転免許保持者については、業務上過失傷害等の刑法違反及び制限速度オーバー等の道路交通法違反について、その時期、態様及び回数が問題となります。前科・前歴がある者については、一定の期間を経過しており、かつ充分に反省し再犯のおそれがないことが必要です。

④生計要件


 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能により生計を営むことができることが必要です。従って、生活保護を受けている場合には、生計能力を欠いています。

⑤重国籍防止要件


 原則として、無国籍であるか又は日本国籍の取得により原国籍を喪失・離脱することが必要です。従って、原国籍国の法律が、日本に帰化したときには原国籍を喪失すること、又は日本に帰化する前に原国籍を離脱することを認めていなければ、日本に帰化することはできません。但し、日本に帰化する意思があるにもかかわらず原国籍を喪失・離脱することができない場合でも、法務大臣が日本国民との親族関係又は境遇について特別な事情があると認めるときは、日本への帰化が許可されます。「日本国民との親族関係」とは、日本人の配偶者・子等を意味し、「境遇」とは難民等特に人道上の配慮を要する場合を言います。

⑥思想要件


 日本国憲法又は日本政府を暴力で破壊することを企図・主張するか、又は企図・主張する団体を結成し若しくは加入したことがないことが必要です。

⑦日本語能力要件


 日本人の小学2年生以上の読み書き能力があることが要求されます。

3.帰化の要件 特例



①日本国民であった者の子(養子を除く)で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有する者


 「日本国民であった者」とは、嘗て日本国籍を有していたが、帰化申請の時点で日本国籍を喪失している者を意味します。この対象者は、上記2-①の要件が「5年→3年」に緩和されます。但し、②~⑦の要件は満たさなければなりません。

②日本で生まれた者で、引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、又は父若しくは母(養父母を除く)が日本生まれの者


 この対象者は、上記2-①の要件が「5年→3年又は0年」に緩和されます。但し、②~⑦の要件は満たさなければなりません。

③引き続き10年以上日本に居所を有する者


 この対象者は、上記2-①の要件が不要となります。但し、②~⑦の要件は満たさなければなりません。「居所」とは、継続して居住しているものの生活の本拠というほどその場所との結びつきが強くない場所のことをいいます。

④日本人の配偶者である外国人で、引き続き3年以上日本に住所又は居所を有する者


 この対象者は、上記2-①の要件が「5年→3年」に緩和され、2-②の要件が不要です。但し、③~⑦の要件は満たさなければなりません。

⑤日本人の配偶者である外国人で、婚姻の日から3年を経過し、引き続き1年以上日本に住所又は居所を有する者


 この対象者は、上記2-①の要件が「5年→1年」に緩和され、2-②の要件が不要です。但し、③~⑦の要件は満たさなければなりません。

⑥日本人の子(養子を除く)で日本に住所を有する人


 この対象者は、上記2-①の要件が「5年→6ヶ月」に緩和され、2-②・④の要件が不要です。但し、③及び⑤~⑦の要件は満たさなければなりません。

⑦日本人の養子で引き続き1年以上日本に住所を有し、縁組のときに本国法上未成年であった者


 養子縁組後に養親が日本国籍を取得した場合も含まれます。この対象者は、上記2-①の要件が「5年→1年」に緩和され、2-②・④の要件が不要です。但し、③及び⑤~⑦の要件は満たさなければなりません。

⑧元日本人(日本に帰化した後に日本国籍を喪失した者を除く)で日本に住所を有する者


 この対象者は、上記2-①の要件が「5年→6ヶ月」に緩和され、2-②・④の要件が不要です。但し、③及び⑤~⑦の要件は満たさなければなりません。

⑨日本で生まれ、かつ出生のときから無国籍で引き続き3年以上日本に住所を有する者


 この対象者は、上記2-①の要件が「5年→3年」に緩和され、2-②・④の要件が不要です。但し、③及び⑤~⑦の要件は満たさなければなりません。

4.帰化許可と永住許可の相違


 帰化により日本国籍を取得した場合には、自己の意思により日本国籍を喪失・離脱する場合を除いて、公権力により帰化の許可を取り消されたり、日本国籍を剥奪されたりすることはありません。これに対して、永住者の在留資格を取得しても外国人であることに変わりはありませんから、過去において日本に不法に入国したことが露見した場合や永住許可後に重大な罪を犯した場合には、永住許可の取消、退去強制等の行政処分がされることがあります。

5.帰化申請の手順


 一般的なケースでは、概ね以下の手順となります。帰化申請が受理されてから決定が出るまでは半年~1年を要します。

 ①住所地を管轄する地方法務局又は支局の国籍課に電話をして、帰化の相 談を予約する。
 ②旅券と外国人登録証を持参して法務局へ行く。
 ③相談の上、法務局の担当者が帰化申請の可能性があると判断すると、必要書類が指示され、次回の相談日が予約される。
 ④日本語能力について疑義があると、法務局の担当者の面前で本国の両親宛の手紙を日本語で書くというような試験が実施される。日本語能力不足が原因で帰化申請を断念する場合が多いので、要注意。
 ⑤二度目の相談日に、収集した書類を法務局の担当者に提示する。申請日を予約する。
 ⑥帰化後の姓名を決め、申請書類を作成する。申請書類と添付書類は、全て原本とコピー1部が必要である。
 ⑦申請日に、法務局の担当者へ全ての書類を提出し、申請書に署名する。

6.行政書士の役割


 在留資格に関する手続は法務省入国管理局が統括し、申請書はその下部組織である地方入国管理局へ提出します。入国管理局への手続は、行政書士、弁護士等が代行することができます。帰化の手続は、法務省民事局が統括しており、申請書はその下部組織である地方法務局に提出します。法務局への手続は、行政書士、弁護士等が代行することができません。行政書士は、相談、必要書類の収集、翻訳、申請書類の作成及び法務局への同行により、帰化申請をサポートします。

一般社団法人設立

1 設立手続の流れ


定款作成→公証人による定款の認証→理事・監事・代表理事の選任等(定款で定めなかった場合)→設立登記申請

2 一般社団法人の3類型


何れも、2名以上の社員(株式会社の株主に相当)で設立できます。

《機関設計の選択肢》     
(公益社団法人となるためには、④又は⑤)
   ① 社員総会 理事
   ② 社員総会 理事     監事
   ③ 社員総会 理事     監事 会計監査人
   ④ 社員総会 理事 理事会 監事
   ⑤ 社員総会 理事 理事会 監事 会計監査人

① 普通法人型(会費収入・寄附金収入を含む全ての収入に課税)
◆収益事業を主な収入源とする場合に適しています。
◆定款で「社員に剰余金の分配を行わない」旨を定めます。(収益事業で利益を得ること、従業員給与・役員報酬を支払うこと等は、当然可能)
◆法人の機関設計は、理事会非設置型(理事1名以上)または理事会・監事設置型(理事3名以上・監事1名以上)となります。(理事:株式会社の取締役に相当 監事:株式会社の監査役に相当 代表理事:株式会社の代表取締役に相当)
◆理事会を置く場合には、監事は必須となります。理事会を設置せずに監事を置くこともできます。

② 非営利法人型(NPOと同様に収益事業のみに課税)
◆会費収入・寄附金等を主な収入源とする場合に適しています。
◆定款で「社員に剰余金の分配を行わない」及び「解散した場合に残余財産は公益法人等に帰属する」旨を定める必要があります。
◆三親等以内の親族関係にある理事の数が理事全員の三分の一以下であることが必要です
◆業界団体・資格者団体・同窓会等が共益的事業を行うときは、以下の条件を満たす必要があります:
(1)定款で「入会金・会費等の額を社員総会で定める」旨を定める(2)定款に「特定の個人又は団体に剰余金の分配を受ける権利を与える」旨の定めがない(3)収益事業を主な事業としていない
◆法人の機関設計は、理事会非設置型(理事3名以上)または理事会・監事設置型(理事3名以上・監事1名以上)となります。

公益社団法人への移行型(移行後は法人税・登録免許税等で大幅な優遇措置)
◆主たる事業が公益目的事業である場合に適しています。
◆設立後に公益認定を受ければ、公益社団法人となります。
◆定款で「社員に剰余金の分配を行わない」及び「解散した場合には残余財産は公益法人等に帰属する」旨を定める必要があります。
◆法人が主に行う事業が「公益目的事業」(不特定多数の利益に寄与する)であることが必要です。
◆社員・会員が入社・入会するための条件をつけないことが必要です。
◆定款で「社員総会の議決権が平等(一人一票)である」旨を定めます。
◆定款で理事・監事の親族関係等の制限を定めます。
◆定款で「入会金・会費等の額を社員総会で定める」旨を定めます。
◆法人の機関設計は、理事会・監事設置型(理事3名以上・監事1名以上)となります。
◆監事には、公認会計士・税理士等の資格者又は法人経理の経験者を選任します。

3 必要書類


◆社員全員の印鑑証明書
◆理事会を設置しないとき:理事全員の印鑑証明書
◆理事会を設置するとき: 代表理事の印鑑証明書

4 費 用


公証人手数料   ¥50,000
登録免許税    ¥60,000

5 有限責任中間法人・任意団体等


《有限責任中間法人》
2008.12.1に一般社団・財団法人へ自動的に移行しています
《任意団体等》
登記による一般社団・財団法人の法人格取得はいつでも可能です。


公益法人認定・認可申請

Ⅰ 公益法人制度改革の目的


民間非営利部門の活動の健全な発展を促進し、民による公益の増進に寄与するとともに、主務官庁の裁量権に基づく許可の不明瞭性等の従来の公益法人制度の問題点を解決することを目的としています。

明確な基準による公益認定
主務官庁による裁量認定から民間有識者合議機関による公平で透明性のある認定へ

実体のない(仕事をしない)天下りの防止
理事等に就任した人は、今後、それぞれの役職に与えられた役割や責任を「自ら」果たすことが求められます。

特別の利益供与行為の禁止
公益社団・財団法人は、社員や理事などの法人関係者、株式会社その他の営利事業を営む者などに、「特別の利益」を与えることを禁止されています。

Ⅱ 特例民法法人は早期の移行検討の着手が必要


従来の公益法人(社団法人・財団法人)は、2008年12月1日に自働的に特例民法法人」に移行しています。ここから5年後の2013年11月30日までに「公益社団法人・財団法人」または「一般社団法人・財団法人」に移行しませんと、現在の「特例民法法人」は自動的に解散となります。

   ステップ1  公益法人か一般法人かの決定
          事業区分の明確化
          機関設計の方針の決定

   ステップ2  新制度に対応した定款作成
          詳細な事業計画書、予算案の作成

   ステップ3  移行認定(認可)申請書作成
          公益認定申請(公益法人のみ)

   ステップ4  移行登記、事業報告



  

Ⅲ 特例民法法人の新制度における選択肢


◆移行申請なし→解散(2013.11.30)
◆移行認定申請→公益社団・財団法人*1
◆移行認可申請→一般社団・財団法人*2            
*1公益社団・財団法人認定の基準
・公益目的事業比率が(費用で計って)50/100以上
・経理的基礎及び技術的能力を有すること
・法人関係者に特別の利益を与えないものであること

*2一般社団・財団法人認可の基準
・法人の作成した公益目的支出計画について、その計画が適正であり、かつ確実に実施されると見込まれるものであること

Ⅳ 法人の機関設計


◆理事会、評議員、評議員会が法定の機関(従来は任意機関)となります。従来の公益法人が新制度に移行するためには、「法律にのっとった選任手続等」を定款に定め、評議員の選任等を行うことが必要となります。

◆理事会・評議員会には、理事・評議員本人の出席が必要となり、委任状による代理出席が認められなくなります。

◆定款変更等の特に重要な事項については、評議員会における3分の2以上の多数の議決が必要となります。

◆社員総会の成立には総社員の議決権の過半数を有する社員の出席が必要となります。

◆定款変更や解散の決議等法人にとって特に重要な事項については、総社員数の半数以上であって、総社員の議決権の3分の2以上にあたる多数が必要となります。

◆評議員を理事・理事会が選ぶことはできなくなります。新制度下では、評議員・評議員会は、役員や理事会を監督する役割を担うためです。

Ⅴ 新制度における税制


 1 特例民法法人
    ・従来と同様の措置となります。

 2 公益社団・財団法人
    ・法人税において収益事業のみに課税されます。
     (認定法上の公益目的事業と認められれば非課税)
    ・寄附優遇の対象となる「特定公益増進法人」に該当します。
    ・個人住民税における寄附優遇の措置があります。

 3 一般社団・財団法人
   「非営利性が徹底された法人等」
    ・法人税において収益事業のみに課税されます。
    ・登録免許税・受取利子等に係る源泉所得税の課税があります。
   「それ以外の法人」
    ・普通法人と同等の課税となります。