03.業務解説/入管手続・入管手続(Q&A)


事例Q&A―永住申請

改正入管法と永住者ビザ・5年在留期間
問:
 改正入管法の実施と伴い、永住者の制度が廃止になったと聞いています。それは本当ですか。これからも3年ビザで永住許可を申請できますか。また、どのようなビザの最大の在留期間を5年に延長されたでしょうか。

答:
 2012年7月9日に改正入管法が実施した以後でも、永住権、永住者の制度はそのまま留保されます。在留期間を最大5年に延長されたビザは:「技術」、「人文知識・国際業務」、「技能」等の就労ビザ(興行、技能実習ビザは除きます)、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」と「定住者」ビザです。「留学」ビザに5年在留期間の設定がありません。現行の制度として、3年ビザでそのまま永住許可を申請することは可能です。

(NEW)年金加入は永住許可の条件ですか
問:
 私は、2003年に留学ビザで来日し、2008年に東京都内の会社に変更して、人文知識・国際業務ビザに変更しました。現在は、3年ビザです。私は、永住許可を申請するために書類の準備を進めています。最近、年金に加入していることが永住権の条件になったということを耳にしました。これは本当ですか?私の会社には厚生年金の制度がなく、私は国民年金にも未加入です。なお、私は国民健康保険には加入しています。

答:
 2012年7月9日に改正入管法が施行されるのと同時に、外国人登録法が廃止されて、中長期在留者は日本人と同様に住民票に登録されることになりました。
 国民年金法には、国民年金の被保険者は「日本国内に住所を有する二十歳以上六十歳未満の者であって、厚生年金等の被保険者でない者」と定められています。従って、中長期在留者も国民年金の被保険者に該当します。また、国民健康保険法には、「市町村又は特別区の区域内に住所を有する者は、会社の健康保険の被保険者等を除いて、当該市町村が行う国民健康保険の被保険者とする」と規定されています。従って、中長期在留者も国民年金の被保険者に該当します。
 外国人登録法の廃止以後、入国管理局は国民健康保険への加入を永住許可の実質的条件にしています。入管のホームページを見ると、永住申請の必要書類のリストの中に国民健康保険関係の書類は記載されていません。ところが、リストの最後に「申請後に審査の過程において,上記以外の資料を求める場合もあります」と書かれています。現在の永住審査においては、申請時に国民健康保険関係の書類が添付されていないと、審査中に、被保険者証のコピーと直近3年分の保険料の納付を証明する資料の提出を求められます。しかし、現在のところ、入管は年金加入に関する資料の提出を求めておりません。これは、東京入国管理局の永住部門で確認しました。
 なお、帰化申請においては、健康保険と年金の両方の資料が必要になっています。

(NEW)日配の永住申請と中国での同居期間
問:
 2011年2月に、私は日本人夫と中国で結婚を登記しました。夫は現地駐在員ですので、結婚した後に私は夫と中国で同居生活を開始しました。同年の9月に、私は「日本人の配偶者等」の在留資格を取得し、夫と一緒に日本に上陸しました。2013年、私は3年のビザ更新許可を取得できました。すみません、私はいつ永住申請または帰化申請ができますか。

答:
 3年又は5年ビザを有する日本人の配偶者は、実態を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ日本に1年以上在留していれば、永住申請ができます。あなたは、中国での同居期間を含めて、2014年の2月に婚姻生活の継続期間が3年以上になります。従って、2月以後に永住申請が可能です。

(NEW)永住申請と子供の長期帰国
問:
 2002年4月に私は留学で日本に上陸しました。大学を卒業した後、2009年4月私は就職して「人文知識・国際業務」ビザに変更しています。妻と子供は私の「家族滞在」ビザです。私と妻はこの間それぞれ3年ビザの更新許可を取得できました。子供は去年から実家に預けて貰って今中国で学校を通っています。私と妻は来年に永住許可を申請するつもりです。すみません、学齢期の子供を実家に預ける場合、私は永住許可を取得できますか。

答:
 貴方は日本に上陸してから10年以上が経過し、かつ来年4月には就労ビザに変更してから5年になりますので、永住申請が可能になります。また、奥さんは婚姻生活が3年以上となり継続して1年以上在留していれば、貴方と一緒に永住を申請することができます。子供を祖父母に預けることは、中国人社会で広く行われている慣習ですから、夫婦の永住申請に特段の影響を与えないでしょう。

娘は一人で永住申請可能でしょうか
問:
 私は永住者と結婚して、5年半前に娘と一緒に来日しました。現在3年の「永住者の配偶者等」の在留資格を持っていますが、夫が協力してくれないため、今まで永住申請ができませんでした。娘は現在3年の「定住者」ビザを持って、日本の大学に通っていますが、一人で永住申請ができるのでしょうか?

答:
 定住者の在留資格を有する者が単独で永住申請をするには、定住者として渡日してから引き続き5年以上滞日していることが条件となります。また、学生の場合には、扶養者の協力が必要です。つまり、貴女の夫が身元保証人となり、在職証明書、3年分の住民税証明書などを提出することが条件となります。従って、貴女の娘さんが単独で永住申請をすることはできません。

「家族滞在」の在留資格と永住申請
問:
 私は2001年に「就学」ビザで来日し、2006年から「人文知識・国際業務」の就労ビザに変更しています。後一年で永住申請ができるのですが、仕事を辞めて、夫の「家族滞在」に変更した場合も永住申請が可能でしょうか?ちなみに、夫は4年前に「技術」ビザで来日し、現在3年ビザを持っています。

答:
 永住の審査基準のうち、滞日期間の一般原則は「引き続き10年以上在留していること。但し、留学、就学、研修、特定活動(技能実習)の在留資格から就労資格または居住資格に変更した場合は、10年以上在留している期間のうち就労資格または居住資格で引き続き5年以上在留していること」です。居住資格とは、永住者以外には、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等及び定住者を意味します。「家族滞在」は就労資格、居住資格の何れでもなく、本体である扶養者の在留資格に付随したものです。従って、あなたが家族滞在の3年ビザに変更した場合に、単独で永住申請をしても、「在留実績が充分でない」という理由により、不許可となるでしょう。このまま就労資格を維持して、2011年に就労に変更後5年経過してから永住申請をすることをお勧めします。

永住申請の審査期間に関して
問:
 私は日本人の配偶者で、7ヶ月前に永住申請を出したが、まだ結果が出ません。永住を申請した知り合いの中には、6ヶ月で永住許可が出た人もいれば、9ヶ月近く経っているのにまだ何の連絡もない人もいます。永住申請の審査期間は、一体どのくらいかかるのでしょうか?

答:
 入国管理局が公表している標準審査期間は「6ヶ月程度」です。しかし、永住の審査はケースバイケースとなるので、実際の審査期間は、6ヶ月より短いものもあれば長いものもあります。

企業内転勤からの永住申請
問:
 私は、10年前に中国の企業から日本の関連会社に移籍し、企業内転勤ビザで来日しました。現在は3年ビザを有しています。企業内転勤ビザでも永住申請が出来るのでしょうか?なお、私の給料は日本の会社から支払われ、住民税も居住地の市役所に納付しています。

答:
 企業内転勤ビザは、以前は5年を超えて在留することが認められませんでした。現在は、雇用契約を更新することにより、何回でも在留期間を更新することができます。現在認められている在留期間は、5年、3年、1年及び3ヶ月です。滞日期間が継続して10年以上となり、5年ビザまたは3年ビザを有していれば、他の就労ビザと同様に、永住を申請することができます。但し、中国の関連会社との連絡や調整のために中国に長期間にわたり出張していることが多い場合には、注意が必要です。日本で活動している期間が短いと、日本への定着性が疑問視されることになるからです。

留置されたことがある人も永住申請可能か
問:
 私は、現在3年の「人文知識・国際業務」の在留資格を持っています。永住申請を考えていますが、刑事事件による前科があると申請できないと聞きました。私は5年前にけんかをして、7日間留置されたことがありますが、これは刑事事件に属すのでしょうか?刑事事件とは、どのような事件を指しているのでしょうか?

答:
 刑事事件とは、刑法に列挙された犯罪です。けんかをして相手に傷を負わせた場合は、「傷害罪」に該当します。あなたの場合には、懲役、禁錮又は罰金の刑罰(執行猶予付きを含む)を受けたわけではないので、永住の審査基準のうち「素行善良」には抵触しません。けんかの実情にも因りますが、警察に留置されたときから5年経過していますから、真摯に反省していることを表明すれば、問題にはならないでしょう。しかし、他の要素と総合的に勘案して「在留状況が好ましくない」という理由により永住が許可されない可能性もあります。

どのような場合永住が取消されるのか
問:
 私は3年の「人文知識・国際業務」を持っていますが、帰化を申請するか、永住を申請するか迷っています。永住権は、取消されることもあると聞きましたが、どういう場合、取得した永住権を取消される可能性があるのでしょうか?また、帰化も取消されることがあるのでしょうか?

答:
 永住許可後に、虚偽の書類を作成して日本に入国したことや永住許可を得たことが露見した場合において、永住許可は取り消されます。また、再入国許可を取らずに出国したとき、及び再入国許可を取って出国した場合でも再入国許可の期限を延長せずに期限が切れたときには、永住許可は失効します。更に、永住許可後に重度の犯罪をすると退去強制処分の対象となり、実質上永住許可の取消しと同じ結果になります。

永住者の配偶者及び子女の永住申請に関して
問:
夫は「技能」ビザを持っていたのですが、先月永住許可を取得しました。私と息子は、去年の6月に3年の「家族滞在」で来日したばかりですが、永住申請ができるのでしょうか?また、息子が今年21歳ですが、一人でも帰化の申請ができるのでしょうか?いつ申請可能でしょうか?

答:
 永住者の配偶者は、夫婦の同居生活が3年以上継続し、かつ引き続き1年以上在留していることが、永住許可の条件です。従って、あなたは日本での同居期間が3年以上にならないと、永住が許可されません。あなたは、とりあえず「永住者の配偶者等」に在留資格を変更します。永住者の実子は、引き続き1年以上在留していれば、永住申請が出来ます。息子さんは、一応永住申請が可能ですが、現在までの在留実績が充分とは言えないので、永住が許可されないでしょう。息子さんは成年に達しているので、「永住者の未成年で未婚の実子」という「告示定住者」には該当しませんが、定住者へ変更する可能性はあるでしょう。息子さんが単独で帰化を申請するには、引き続き5年以上在留することが必要です。

夫婦一緒に永住申請をする場合
問:
 夫は日本に来て10年以上経ち、就労ビザに変更してからも5年経っていますので、永住申請の条件を満たしています。私は3年前に夫と結婚し、現在大学4年生に通っていて、「留学」の在留資格を持っていますが、夫と一緒に永住申請ができるのでしょうか?

答:
 永住審査の一般原則として、留学、就学、研修、技能実習の特定活動の在留資格からの申請はできません。しかし、永住者の配偶者は特例となっており、実体を伴った婚姻が3年以上経過し、かつ1年以上引き続き在留していれば、永住許可の対象となります。貴女の場合には、夫が永住者となった時点で「永住者の配偶者」となりますから、夫と一緒に申請して同時に許可される可能性があります。