03.業務解説/入管手続・入管手続(Q&A)


Q&A―経営・管理(旧投資・経営)ビザ

(NEW)経営・管理ビザの対象の拡大
問:
 今年の4月以後に投資・経営ビザが経営・管理ビザに名称変更されるとともに、対象が外資系企業に限定されなくなったと聞いています。詳しい内容を教えてください。 

答:
 以前の投資・経営ビザの対象は、外資系企業に限定されていました。すなわち、対象となる事業を日本人または日本企業が起業し、かつ日本人または日本企業のみが投資している場合には、外国人が事業の経営または管理に従事しても、投資・経営ビザの対象にはなりませんでした。
 4月1日以後においては、経営・管理ビザの対象からこの制限が撤廃されました。その結果、経営・管理ビザの対象は以下の3つになりました:
 ①日本国内において事業の経営を開始してその経営を行い、または当該事業
の管理に従事する活動
 ②日本国内において既に営まれている事業に参加してその経営を行い、また
は当該事業の管理に従事する活動
 ③日本国内において事業の経営を行っている法人・個人に代わってその経営を行い、または当該事業の管理に従事する活動
 「事業の経営に従事する活動」には、事業の運営に関する重要事項の決定、業務の執行、監査の業務などを行う株式会社の代表取締役、取締役、監査役等の活動が該当します。「事業の管理に従事する活動」には、部長、工場長、支店長等の管理者としての活動が該当します。対象となる事業は安定性・継続性が認められるものである必要があります。
 外国で事業の経営・管理に従事している会社の役員または個人事業主が契約などのために一時的に来日する場合には、経営・管理ビザではなく、短期滞在ビザに該当します。
 経営・管理ビザは人文科学や自然科学の知識等を必要とする業務に従事する活動であるので、技術・人文知識・国際業務ビザと一部重複します。重複する場合には、基本的に経営・管理ビザが許可されます。業務内容に起業の経営・管理の活動が含まれているが、事業の規模等から経営・管理ビザに該当しない場合には、技術・人文知識・国際業務ビザが許可される場合があります。

(NEW)会社の本店移転の手続
問:
 一昨年から、私は「家族滞在」ビザから「投資・経営」ビザに変更しています。ビザの期限は来年の2月です。現在、私は2店舗の中華料理店を経営しています。この間、会社の事務所は別所に移動しました。すみません、来年ビザの更新までに、会社本店変更について、どんな手続きが必要でしょうか。

答:
 ①定款変更と移転の登記
まず、定款の本店所在地を変更し、法務局へ定款変更と本店移転の登記を申請します。但し、定款に「本店を東京都杉並区に置く」というように最小行政区画まで記載してあるときは、移転先が同じ区内であれば定款変更は不要です。定款変更の登記の登録免許税は3万円です。移転登記については、移転先が同じ法務局の管轄内であれば、登録免許税は3万円です。別の法務局の管轄区域に移転するときは、登録免許税が6万円になります。
 ②移転後の届け出
・本店移動届出書:税務署・都県税事務所・市区町村役場
・給与支払事務所の移転届出書:税務署
・労働保険所在地変更届:労働基準監督署
・雇用保険所在地変更届:ハローワーク
・健康保険・厚生年金保険所在地変更届:社会保険事務所
 また、来年の更新とともに、在留資格を「経営・管理」に変更されます。

(NEW)高卒の息子を経営・管理ビザで呼び寄せる
問:
 私は永住者です。現在は自営業として横浜市において整体院を経営しています。連れ子の息子は今年30歳です。息子の学歴は高卒で、現在中国で商売をしています。すみません、これから息子に「経営・管理」ビザを申請してあげて、日本に呼び寄せたいです。私はどうすればいいでしょうか。

答:
 経営・管理ビザには、学歴の条件がありません。また、中国で商売をしていることは、プラスの要素になります。
 あなたと息子さんが共同の代表取締役となって、株式会社を設立します。息子さんは500万円以上を投資する必要があります。会社の事業として、あなたは整体院の経営を続け、息子さんは現在している商売に関連する仕事を担当すれば良いでしょう。

(NEW)経営・管理ビザの更新と財務書類
問:
 今年の1月から、私は貿易会社を設立し、「投資・経営」ビザに変更しています。会社の経営年度は4月から翌年の3月となっています。そのため、会社今年度の決算書は来年の3月以後ができます。しかし、会社が立ち上がった後に、1月から3月まで準備に時間がかかって、実際は今年の4月から経営を始めました。この場合、来年ビザ更新のために、私はどんな書類を入国管理局に提出すべきでしょうか。

答:
 あなたの会社の最初の事業年度は、設立の日(会社が登記された日)から今年の3月31日までです。第2年度は、今年の4月1日から来年の3月31日です。来年のビザ更新においては、初年度の決算書と第2年度の途中までの試算表(中間決算書)を入管に提出します。

留学ビザを持っている状態で会社の経営が可能か
問:
 私は今年の3月に大学を卒業して、同じ大学の大学院に進学しています。来年3月に卒業する予定ですが、今会社を設立して、飲食店を経営し、卒業する頃に「経営・管理」への変更申請を出すことが可能でしょうか?

答:
 留学の在留資格で会社を経営することは、資格外活動違反による退去強制の対象となります。但し、留学生でも会社に出資することはできます。従って、貴方が発起人となって会社を設立して、大学院を修了するまでは日本人または就労制限がない在留資格を有する外国人に経営を委託し、学業を終える直前に貴方が代表取締役に就任して、在留資格を経営・管理に変更します。

会社を設立する際の現物出資に関して
問:
 私は永住者で、中華料理屋を経営しています。今まで個人の名義で経営してきましたが、チェーン店を出すことにもなったし、この機会に会社を設立しようと思っています。しかし、新しい店舗の内装とかにお金を使ってしまったので、今手元には資本金に出す現金がありません。「現物出資」というのがあると聞きましたが、どういうことか、詳しいことを教えていただけますか?

(1)現物出資とは何か
 会社を設立する際に、出資はお金だけではなく、パソコン、机、自動車などの財産(物)でもすることができます。たとえば、個人的に使用しているパソコンを会社の備品として使うならば、出資することができます。お金以外の財産による出資を「現物出資」と言います。現物出資をすることができる財産は、不動産、債権、有価証券(株券・国債・社債など)、知的財産権(特許権・商標権など)など貸借対照表に資産として計上することができるものです。労務・信用は認められません。

(2)定款への記載
 現物出資をする場合には、以下の事項を定款に記載します:
・現物出資をする者の氏名
・現物出資をする財産の内容と価格
・現物出資をする者に割り当てる株式の数

(3)検査役の調査
 現物出資をする場合は、原則として裁判所が選任する検査役の調査が必要になりますが、次の場合には不要です:
・現物出資をする財産の総額が500万円以下の場合
・現物出資をする財産が市場価格のある有価証券(株券など)であり、定款に記載された価格が市場価格を超えないとき
・現物出資をする財産について定款に記載された価額が相当であることについて弁護士、税理士、公認会計士の証明(不動産については不動産鑑定士の評価)があるとき

 実際には、現物出資をする財産の総額を500万円以下に抑えて、検査役の調査と弁護士・税理士などの証明を不要にする場合が多いです。

(4)現物出資をする財産の価額が不足する場合
 たとえば、10万円の価値しかない中古の自動車を100万円の価値があるとして現物出資し定款に記載した場合には、不足額90万円を発起人と取締役が会社に対して支払う義務を負うことになります。

「留学」から「投資・経営」への変更申請に関して
問:
 私は現在修士二年生で、経営学を専攻しています。来年の3月には卒業することになりますので、会社を設立して、卒業後在留資格を「投資・経営」に変更したいと思っています。ネットショップを経営して、中古品や中国の雑貨などを販売する予定ですが、「投資・経営」の在留資格が取得できるのでしょうか?どのような条件を満たす必要があるのでしょうか?

答:
 「投資・経営」への在留資格変更においては、本人の履歴と事業の安定性・継続が審査の対象となります。本人の履歴については、嘗て会社を経営した経験があること、就労経験があることなどが有利な材料になります。学歴は必須条件ではありませんが、大学院で経営学を専攻し修士号を取得することは、かなりプラスの要素となります。事業の安定性・継続につては、会社を設立してしっかりした事務所を確保し、二人以上の常勤の職員を雇用した上で、説得力がある事業計画書を作成することが必要です。職員を雇用しない場合には、年間の必要経費が500万円を超える事業規模であることが必要です。

除籍された学生が「投資・経営」の申請が可能か
問:
 私は専門学校の学生で、1年の「留学」ビザを持っていたのですが、出席率が悪かったため、学校から除籍されました。在留期限は今年の3月中旬までですが、これから会社を設立して、在留資格を「投資・経営」に変更する可能性はあるのでしょうか?

答:
 在留資格変更の際には、これまでの在留状況も審査の対象になります。あなたの場合には、学校から除籍されたことにより、本来ならば在留資格取消の対象になっています。従って、「在留状況が好ましくない」という理由により、投資・経営への在留資格変更は許可されないでしょう。

「投資・経営」を取得するには会社を設立するしかないのか
問:
 私は現在3年の「人文知識・国際業務」の在留資格を持っていますが、失業したため、「投資・経営」への変更を考えています。「投資・経営」の在留資格を取得するには、必ず新しく会社を立ち上げなければならないのでしょうか?既に運営されている会社を譲渡してもらったり、増資の形で取締役になったりしても「投資・経営」を取得することが可能でしょうか?

答:
 投資・経営の在留資格に該当する活動は、以下のとおりです:
1 日本で事業の経営を開始して経営する者
2 1に該当する外国人が経営する事業の管理に従事する者
3 日本の事業に投資して経営する者
4 3に該当する外国人が経営する事業の管理に従事する者
5 日本で事業の経営を開始した外国人に代わってその事業を経営する者
6 5に該当する外国人が経営する事業又は本で事業の経営を開始した外国人に代わって日本人が経営する事業の管理に従事する者
7 日本の事業に投資している外国人に代わってその事業を経営する者
8 7に該当する外国人が経営する事業又は日本の事業に投資している外国人に代わって日本人が経営する事業の管理に従事する者

 従って、既に運営されている会社を譲渡してもらったり、増資の形で取締役になったりする場合に、それが2~8のいずれかに該当すれば、「投資・経営」を取得できる可能性があります。